FOUNDATION
創業の想い
我が想いの建築を創りたい、自分の設計とデザイン力を、世に投入したい。その想いをもって、平成元年、創業をした。
自分一人に、妻と二人での創業だった。9坪の倉庫を片づけただけの事務所には、中古屋から買ったボロな小さなテーブル2台と製図台、電話とFAX、中古の手差しの青焼き機。これがすべてであった。
想いは心の中にふつふつと湧き上がっていた。必ずこの栃木県で一番の設計事務所になる。文化をつくる設計事務所になる。強い想いを壁に貼った。大きな紙に大きな字で書き、何枚も何枚も壁に貼った。妻は、昼間は一才の子どもを背負って青焼きをした。夜には3階の寝室に子どもを寝かせ、1階の事務所で青焼きや書類の仕事を手伝ってくれた。子どもが寝ている3階のインターホンから泣き声が聞こえると、急いでへ駆け上がっていった。私は、わき目に見ながら、一分一秒図面から手が離せない。
当時の私は、朝4時半に起き、顔を洗い、5分後には図面に向かっていた。白々と東の空が赤みを帯びてくる。近所を散歩する老婦人と視線があった。
「あんたね、あなたは必ず成功するよ」
そう言ってくれたあの白髪の老人の声が、今でも耳に残っている。私32歳、そして妻24歳二人の子、壁に貼った張り紙を心の支えに、若さとやる気だけが頼りだった。
必ず建主様に喜んでいただける建築を、デザイン性、機能性あふれる設計をすると、必ずしてゆくんだと、情熱をかたむけ、理想に燃えていた。
不安になると呪文を唱える。
「私は誰より努力している。私は誰より建主様と建物を愛する。
必ずきっと私を活かしてくれる...」
祈るがごとく何度も何度も繰り返し、またひたすら図面に向かっていた。
狭い事務所には毎日いろいろな人が大勢集まってきてくださった。
中学高校の友人、JCの仲間、ボーイスカウトの先輩方、建設関係方々、大勢の方々に励ましを頂き、多くの出会いと感動の中に、我社は創業した。